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新型ターゲットペーパーの
ダウンロードを始めました

新しいターゲットペーパーはA3サイズでプリントすると罫線の間隔が1cmになるように作られています。
文字をクリックするとPDFファイルがダウンロードできます。


Tech Report  十兵衛軍曹の狙撃講座

KSC HK53
  1. 第一回「十兵衛軍曹の射撃講座:その1」

  2. 第二回「十兵衛軍曹の射撃講座:その2」

  3. 第三回「十兵衛軍曹の射撃講座:その3」

  4. 第四回「十兵衛軍曹の射撃講座:その4」

  5. 第五回「十兵衛軍曹の射撃講座:その5」

  6. 第六回「十兵衛軍曹の射撃講座:最終回」

  7. 第七回「十兵衛軍曹の射撃講座:補習編」

■十兵衛軍曹の射撃講座:その1■



訓練所へようこそ!私は射撃教官の『十兵衛軍曹』と申します。自称・一等軍曹なので、気軽に「ガニー」と呼んで下さい。私は元軍人で過去に射撃の選手だったこともありましたが、現在は皆さんと同じ民間人ですので、部下を罵倒するような教育の仕方はいたしません。相談相手のように、仲良く、楽しくやって行きましょう。

では、まず初めに「スナイパー」について考えてみましょう。「スナイパー」とは、「ハンター」と「トップシューター」の合わせ技一本!みたいな存在です。要するに「狩りのできるライフルマン」のことです。では、「スナイパー」に憧れるあなた方は「射撃」については、どれくらい勉強してきたでしょうか?
「勉強したくても、そんな当ては無い!」おそらく大半の方はそう答えるでしょう。

ここでは、スナイパーについての技術は何も教えられません。

教えられることは、もっと基本に近い、普通のライフルマンの技術です。ですから、あなた方は基礎を学ぶために、今までの経験や独学で学んだ射撃技術を、一度、白紙に戻して下さい。それが、私の訓練を受けるための最低条件です。

ブルース・リーの著書には、こんな言葉があります。
『あなたは自分のカップを空にしていないのに、どうやって私のお茶を味わうのですか?』
あなた方も、まずは自分のカップを空にして下さい。

では、最初の訓練課題です・・・「毎日、腕立て伏せをして下さい」

反論は認めません!カップは空にして頂きます!回数は10回でも20回でも構いません。ただし、1日のノルマ回数を1回でも増やしたら、次の日から絶対に減らしてはいけません。ポイントは「毎日、同じ時間に、必ず実行する」ということです。ここで鍛えるのは腕の筋肉だけではありません。面倒臭い作業を、毎日続けることで、「集中力の持続」を鍛え上げてもらいます。

『集中力』 スターウォーズが好きな人は「フォース」と読んでもらって構いません。集中力はライフルマンにとって最も大切な要素です。標的にたびたび発生するフライヤー。みなさんは、これを「弾の精度」や「空気の密度」が原因と考えていますが、遠距離の射撃では、トリガーを引いた瞬間に集中力が途切れただけでも、フライヤーが発生します。

赤いポリタンクをイメージしてください。
中には水が一杯で、あなたはライフルでそれを狙っています。発射された弾丸はポリタンクの中央に命中しました。あなたはスコープ越しにそれを見て満足しますが、まだここで、集中力を切ってはいけません!なぜなら、真の標的は、その5メートル後方にあったコーヒーの缶なのですから・・・。

何が言いたいのかというと、弾を命中させようと考えた時、頭の中では弾丸のゴール地点を、ごく自然に「標的の中心部」に設定しています。しかし、これからはイメージを変えて下さい。本当のゴールは「標的の5メートル奥」にあるのだ!と・・・。集中力はそこまで持続させることが基本です。この行為を射撃用語では「フォロースルー」と呼んでいます。

標的とは決して「当てる」モノではありません。向こう側まで「撃ち抜く」モノなのです。

次回は「プレッシャー」についてお話します。

これを読んでしまった「あなた」 今から早速「今日の腕立て」を始めて下さい。
くれぐれも「明日から・・・」という言い訳で自分を甘やかさないように。
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