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ダウンロードを始めました

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Tech Report  十兵衛軍曹の狙撃講座

KSC HK53
  1. 第一回「十兵衛軍曹の射撃講座:その1」

  2. 第二回「十兵衛軍曹の射撃講座:その2」

  3. 第三回「十兵衛軍曹の射撃講座:その3」

  4. 第四回「十兵衛軍曹の射撃講座:その4」

  5. 第五回「十兵衛軍曹の射撃講座:その5」

  6. 第六回「十兵衛軍曹の射撃講座:最終回」

  7. 第七回「十兵衛軍曹の射撃講座:補習編」

■十兵衛軍曹の射撃講座:最終回■


最終回のテーマは「撃発」です。その前に、トリガーについて簡単に説明しますが、トリガーには3つの段階が存在します。

第一段階は『遊び』
これはトリガーの引きしろのプラプラしたところで、陸上競技でいう助走のような役割をします。一見不要に見えますが、トリガーを真っ直ぐ引けているのかを確認するために重要な部分です。

第二段階は『絞り』 
これはシアーが連動し始めて、撃針(エアガンではピストン部)が落ちるまでの部分です。競技用ライフルは、この部分がとても滑らかに作ってあるのでプロのライフルマンは、この部分の感触を必ず自分の指に記憶させなくてはいけません。

第三段階は『撃発』
言うまでもなく、弾丸の発射です。この第二から第三への感覚がつかめていないと、ガク引きや暴発などのトリガーアクシデントを起こします。

ちなみに理想的なトリガーの重さについては、シャーペンの芯を2〜3ミリ出してそれを指でへし折る程度の重さが、ガニーは良いと考えています。個人的な好みなので、サジ加減のわからない人だけが、参考にしてみて下さい。

次に、トリガーの引き方ですが、まず人差し指で、右目の上まぶたを静かに下ろしてみて下さい。眼球を刺激しないように力を加減しながら、ゆっくり何度も繰り返してく下さい。このジワジワした感触こそが、トリガーを「絞る」という感触です。ごくまれに、指の第一関節にトリガーを引っ掛けて撃発を行う人がいますが、それはアウトです。なぜなら「絞り」には触覚が必要不可欠です。指は生理学的に、指紋部中央の突起部が最も触覚が発達していますので、撃発の際は、必ずこの突起部をトリガーに引っ掛けるようにして下さい。

最後に、撃発のタイミングについてですが、ここが「最も難しい技術」です!

一般にみなさんは射撃の流れを、
ライフルを構える⇒呼吸を止める⇒センターに狙いをつける⇒脳から射撃命令を伝える⇒トリガーを絞る⇒撃発⇒フォロースルーを保つ
と、考えがちです。けっして間違ってはいませんが、プロの技術は少しだけ違います。

まず、ライフルを構えて呼吸を調整するまでは同じですが、その後は、
狙いをつける⇒狙いが定まった瞬間に、さらに呼吸を止める⇒何も考えずにトリガーを絞る⇒撃発⇒フォロースルーを保つ。

つまり、「脳の命令」をすっ飛ばして、すでに「撃発」のモーションに掛かっています。前述と比較すると、工程が少ないうえにやや本能的です。これはなぜかというと、「脳の命令」でトリガーを絞ると、「狙う」という意識が強すぎて、
コンマ何秒かのタイムラグが発生し、撃発で小さなズレが生じるのです。格闘技の世界には、「考えてから打つパンチは1秒遅い」という定説があります。優れた武道家は技のタイミングを「脳の命令」でなく「呼吸の流れ」で計っているのです。
つまり、技をかけ始める瞬間は、ほとんどが無意識です。「条件反射」と言ってもいいでしょう。射撃も同じです。「撃とう」と考えてから撃った場合、大半の着弾は微妙にズレます。撃発のタイミングは「脳」でなく「呼吸」で合わせるのです。何も考えてはいけません。「何も考えない」という思考を持っただけでも、充分タイミングは遅れます。かと言って、「衝動的」に撃つという意味でもありません。それは、ただの臆病者の暴発(バックフィーバー)で、いわゆる「バカ」の射撃です。撃発の瞬間には、無色透明で漠然とした『集中力』が存在していなくてはいけません。『脳が命令した時はもう遅い』この言葉を忘れないで下さい。そして、撃発後のフォロースルーは確実に行って下さい。

さあ、これであなた方に教えられる基礎技術は全て終了しました。何人が、この訓練過程を全て体得できるか?それだけがガニーの楽しみです。断っておきますが、全部読み終わったぐらいでは、ここを卒業したことにはなりません。何故でしょう・・・?射撃の世界は「結果」が全てだからです。卒業したければ「結果」を出して下さい。


「銃の性能20%、フォーム30%、精神力50%」
最強の精鋭を目指して、常に鍛錬し続けるべし。



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