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新しいターゲットペーパーはA3サイズでプリントすると罫線の間隔が1cmになるように作られています。
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Tech Report  十兵衛軍曹の狙撃講座

KSC HK53
  1. 第一回「十兵衛軍曹の射撃講座:その1」

  2. 第二回「十兵衛軍曹の射撃講座:その2」

  3. 第三回「十兵衛軍曹の射撃講座:その3」

  4. 第四回「十兵衛軍曹の射撃講座:その4」

  5. 第五回「十兵衛軍曹の射撃講座:その5」

  6. 第六回「十兵衛軍曹の射撃講座:最終回」

  7. 第七回「十兵衛軍曹の射撃講座:補習編」

■十兵衛軍曹の射撃講座:その5■


早いもので、次回は最終回です。
ガニーの仕事は、ライフルマンの基礎を教えるだけですので、あとは、みなさま方の反復練習のみが、全ての結果につながります。覚えることは、決して多くはありませんが、どれも続ける事が重要とされることばかりです。それでは、今日もライフルを構えて下さい。3点支持がきちんと出来ていない方は、まだ、この回は読まなくていいです。焦って先に進んでも頭でっかちで終わりますよ。ライフルマンは常に「着実に」がモットーです。

さて、フォームの方が固まってくれば、もう完璧!・・・と言いたいところですが、次に新たな問題が発生します。それは、心臓の鼓動や呼吸による、ライフルのブレです。

まず「心臓の鼓動」について説明しますが、止める方法はありません。心臓は、あなたが死なない限り永久に動き続けます。誰にでもある体のリズムですから、気にしすぎるのはいけません。しかし、解決策に近い答えは2つほどあります。1つは、水泳・マラソン・縄跳びなどの、心肺機能を高めるトレーニングを習慣的に行うこと。センズリとかSEXはダメですよ!ボテ腹が6つに割れるようなマジメなトレーニングをして下さい。もう1つは・・・。「禁煙」をすること。でも禁煙に関しては強制いたしません。なんだか、人のプライベートに干渉しているようで、ガニーの主義ではないのです。ですから、そこまでプロに徹する必要のない人は、そのままでいいです。

ただし、参考までに言っておくと、どこの機関でも喫煙者は「狙撃手」の適正から除外されます。競技射撃の世界でもあまり「現役選手」としては扱ってもらえません。タバコだけに限らず、酒・ドラッグ・お母さん・・・等、特定の何かに依存傾向があり、「それ無しでは、本来の力が発揮できない!」と、のたまう人はもうこの世界ではアウトなのです。と、いうわけでガニーは言い出しっぺなので、本日から8年ぶりに禁煙を実行します。

次に「呼吸」についてです。
呼吸による胸郭の上下変動は、ストックからダイレクトにライフルに伝わるため、撃発時には、必ず呼吸を止めなくてはいけません。ただでさえ心臓が動いているのです。息を吸いながら(もしくは吐きながら)撃つというのは、それだけで充分弾道を不安定にし、結果として、上下差にまとまりのない全体的に斜めに着弾した標的を作ります。

呼吸のコントロールについては、まず始めに、肺の通常容量より20〜30%余分に息を吸いながら、フォームを構築し、息をピタリと止めた後に、体の力を抜いて、筋肉の自然な収縮で余分な空気を吐き出します。次に、肺の容量が100%の状態に落ち着いたとき、もう一度息を止めます。肺容量100%というのは、肺のどこにも無理な力が、かかってなくなおかつ通常以上の酸素が、肺に確保されている状態を指します。このとき、スコープの中心に標的のセンターが見えていたら、撃発のチャンスは、まさにその瞬間です。時間の猶予は、約2〜4秒くらいでしょうか・・・。(頭の中で4カウント程度)この瞬間だけ、あなたの体とライフルはピタリと停止します。

呼吸は長く止め過ぎてはいけません。プロでも、おそらく7秒が限界でしょう・・・。それ以上かかると、体内の酸素が減少し、体が小刻みに震えて、銃口がブレ始めます。ここで苦し紛れに強引な「神だのみショット」を撃ってはいけません。全てが水のアワになります。そういう時は、潔くライフルを降ろして深呼吸しましょう。たとえ見た目には、それがあなたにとってのチャンスだったとしても、撃発が呼吸と合わなければ、それは本当の意味でのチャンスにはなりません。100%、確実に、絶対ハズします。

と、いうわけで、次回の最終回では「撃発」について勉強しましょう。


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